屋根裏に結露はありませんか?
2016年 07月 16日
こちらは、今朝静岡県のお客様から頂いた屋根裏(小屋裏)の写真。
グラスウールの断熱材がその重さに耐えかねて、至る処屋根から
脱落しています。(屋根組みを支える柱もいい加減な施工ですが・・)
お客様曰く、屋根に張ってある野地板合板とグラスウールとの間に
手を入れてみたら、合板が濡れて結露を起こしているそうです。
当然、このまま放置すれば、合板は黒く変色してそのうち腐って
くるでしょう。
また、ガラス繊維で出来たグラスウールは、水分や湿気が付くと
断熱性能が極端に落ちてしまいますから、その周囲をビニールの
防湿シートで完全に覆わなければなりませんが、カットされた
断熱材がむき出しのまま施工された形です。
これでは、断熱材としての役割が十分果たせないばかりか、水分や
湿気が表面に付着して重さが増してしまいます。
その重量増に耐えかねて、グラスウールが下の床に落ちてしまった
ものと思われます。
こういう場合、断熱を屋根断熱から天井断熱にすれば直るという
間違った提案をする業者もいるようですが、残念ながら、天井断熱
にしても全く意味はありません。
それは、断熱する位置が変わるだけで、原因を解決していないからです。
まずは、換気棟の設置をすることです。それで、居住空間から昇ってくる
たくさんの温かい湿気を棟から逃がすことが可能となります。
次に、野地板の内側に通気の為のスペーサーを付けることをお勧めします。
こうすることで、野地板と断熱材との間に通気層を確保し、ビニールの
防湿シートと野地板とが直接触る状況を回避出来ます。
(人間でも直接肌にビニールを張り付けると、中で汗をかいて
気持ちが悪いですよね。そうなることをなくすのです)
勿論、グラスウールをそのまま使うのであれば、剥き出しに
なった断熱材をビニールの袋に入れるなどして密閉しなければ
なりません。
私としては、出来れば断熱材を無機系のグラスウールやロックウール
から呼吸作用のある天然の羊毛やセルロースといった自然素材に
変えると更に安心出来ると考えます。
湿気の多い梅雨の季節や室内を加湿する冬場に、皆さんも一度
屋根裏の状態を点検しては如何でしょうか。
屋根裏結露の問題を抱えている日本の住宅は、80%以上あると
思いますよ(多くの皆さんは、点検していないので知らないだけです)
輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートを
して欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。
全国どこでもご相談を受け付けます。
尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事を
いくつかご覧の上適否をご判断願います。
<関連資料>: 「断熱施工の見えないリスク」【PDF】 (2008年11月発刊 日経ホームビルダー)
<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) (2007年9月1日)
<関連記事>: 冬場を前に屋根裏を点検しましょう! (2014年10月20日)
by mikami-homemade
| 2016-07-16 12:59
| 断熱材入れ工事