強化ガラスは、蜘蛛の巣状に割れる
2016年 08月 18日

既に会社がなくなってしまったカナダ アルメトコ社の輸入サッシ。
断熱性が高い樹脂(PVC)でフレームが作られていて、価格も
お値打ちだったことから、ローコストを狙う輸入住宅ビルダーに
数多く採用されました。
新築時にはいろいろメリットがあったサッシでしたが、製造した
メーカーがなくなり、施工した工務店や住宅メーカーもアフター
サービスをしない方針に転換した今となっては、お客様は路頭に
迷う状況となっていると思います。
そんな中、お客様から修理を相談された岐阜の工務店さんから
掃出しサッシのガラス交換についてお問い合わせを頂きました。
北米の窓メーカーは、大きなガラスの掃出しサッシには強化ガラスを
二重(ペア)で使います。
人間が衝突した場合の割れによる怪我を防ぐという意味と、防犯性を
高めるという意味の2つの目的を果たすように考えられています。
ただ、強化ガラスは歪みに弱いので、先が尖ったもので一点を
集中して叩くとこのように粉々に割れてしまいます。
(野球のバットのように丸くなったものでは、絶対割れません)
当然、くちばしが尖った鳥や鋭利な形の石が当たっても、同様に
割れてしまいます。
こういう場合、窓メーカーに依頼してペアガラスを作ってもらう
ことは出来ませんから、ガラスの周囲の押し縁を外して実際の
ガラスの大きさや厚さを測ります。
それを元に国内でガラスを製作してもらい、再度現場でガラスの
交換作業を行います。
ただ、その際気を付けなければならないのは、押し縁を傷めないこと。
窓メーカーはありませんから、窓に付いていた押し縁を破損して
しまうと、新しいガラスを入れた後に再利用が難しくなります。
もしそうなってしまったら、サッシ全体の交換をする以外に
手段はなくなってしまうのです。
窓の構造を注意深く確認して、ガラス寸法の計測や交換作業を
慎重に行って下さい。
また、ガラスを交換した後の防水処理も考えなければいけません。
ですから、結構時間や手間の掛かる仕事です。
輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートを
して欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。
全国どこでもご相談を受け付けます。
尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事を
いくつかご覧の上適否をご判断願います。