防水テープだけでは解決しない
2020年 01月 08日
こちらの写真は、ミルガード(Milgard)社のシングルハング・サッシの
建具(障子)を分解した様子です。
手前側の格子入りのペアガラスは、内部結露を起して縁が錆びてきて
いるのが分かりますか。
こうなってしまうと、ぺガラス自体の気密性は失われ、断熱性能が落ちる
ばかりか、最悪ペアガラスという形態を保持出来なくなります。
また、このサッシは20年近い時間が経っていることから、装着された
バランサーも不具合を起し、輸入網戸も弱ってきているという状況でした。
更に、バランサーを装着する際に大切なプラスチック製の小さな部品である
トップガイドも一部劣化していましたから、このままではバランサーを
交換してもうまく窓を上げ下げ出来ません。
そこで、窓ガラスを交換すると同時に、全ての問題点をメンテナンス
してクリアすることにしました。
ただ、作業は建具の周囲のガラス押えを慎重に外して、ペアガラスを
交換するだけと思ってはいけません。
単純にペアガラスを交換しただけでは、建具枠とガラスとの隙間から
また雨漏れを起してしまい、近い将来同じ問題が発生します。
そこで用いられるのが防水テープなんですが、これは既存の状態の
時にも使われています。ですから、防水テープでペアガラスと建具枠
との間の防水を確保しようとしても、防水テープが劣化すれば
同じトラブルが発生するということです。
だからこそ、こうした処理に加えて、更なる防水処理が必要であると
私たちは考えます。
そうすることで、雨がペアガラスの中へ入り込むまでにいくつか
障害となるものを築き、それらを突破しなければ雨漏れが起きないという
状況を作り出すことが出来るのです。
勿論、それは雨漏れが起きないということではなく、雨漏れが起きる
までの時間を出来る限り長く稼ぐ目的ですから、10年後に再び防水処理を
することは言うまでもありません。
その際は、外壁の塗り替え等を一緒に行って、その足場を利用して窓の
防水処理をすれば、その分費用を抑えることが可能です。
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