基礎の外断熱は非常に危険
2023年 07月 26日
岐阜県のお客様の処で、シロアリ被害の改修工事を行っております。
新築した当時の図面もなく、構造もよく分からない中でほぼ手探りの
状態で、どうしたらシロアリの被害を食い止められるか、そして将来の
被害を予防出来るかという問題に取り組んでおります。
当初は玄関ポーチの上にあるバルコニーの床がフワフワしているという
ことに端を発し、バルコニーの壁や床を剥がしてみたら、水が入り込んで
シロアリの食害も確認出来ました。
単なる雨漏れが原因で、シロアリを誘引したのかというふうに考えたのですが、
シロアリがどこから入り込んでいるのかがはっきりしません。
ただ、このおうちの床下は空間がない構造(スラブ床)になっていることが
分かっていましたから、立ち上がり基礎(布基礎)と床下に張った薄い
コンクリートとが接する部分に亀裂が入ってそこからシロアリが上に
上がってきたのかと考えていました。
でも、それだけでここまで大きな被害になるのか、ちょっと疑問にも
思っておりました。(シロアリ駆除は、何度か行っていたようです)
そこでお客様が新築工事の様子を撮影した写真を見せてもらった処、建物の
立ち上がり基礎の外周に断熱材のスタイロフォームが隙間なく張ってある
ことを発見しました。(尚、スタイロフォームの表面には「シロアリ駆除済」
と記載がありました)
建物の外壁よりも基礎が大きくはみ出しているので、どうしてこんなに
幅広の基礎を作ったのか疑問に思っておりましたが、厚さ50mm以上の
スタイロフォームが張ってあって、そこの上に仕上げの化粧モルタルを
塗ってあったということでした。
スタイロフォーム自体は何の栄養もありませんが、発砲スチロールのように
柔らかいので、どんどん食べてそこに蟻道を作るなんてことが簡単に出来て
しまいます。
それも化粧モルタルで覆われていますから、いくら食べてもお客様には
何も見えません。
食べられて穴が明いたスタイロフォームを一部外してみたら、シロアリの蟻道は
立ち上がり基礎とスタイロフォームとが接する面で土の中から土台の木へと
つながっていました。
勿論、そこには小さなシロアリたちが動いているのも確認出来ました。
将来シロアリの被害をなくす為には、土にいるシロアリが侵入する経路を
遮断することが最も大切です。
その上でシロアリが食べづらくなるような施工や仕事を施すことで、
更なる被害を止められるかも知れません。
尚、シロアリ駆除業者は何度もここで仕事を行っていましたが、全く
被害を止められませんでした。
原因調査もしないで薬を撒くだけの駆除は、住人に健康被害があるだけ
ですから、反ってやらない方がましだと思います。
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